富士フイルムスクエアでX-Pro2を触ってきた [カメラ]
1月15日に発表されたX-Pro2。
発売は2月18日の予定で、一般のお店にはまだ実機がありません(1月31日時点)。
富士フイルムスクエアではすでにさわることができるので行ってきました。
場所は六本木、ミッドタウンの中。
写真展スペースや写真歴史博物館(過去の富士フイルムのカメラの展示や写真史の展示など)、Astalift(化粧品)コーナー、そしてデジタルカメラの展示コーナーとなっています。
1月15日に発表されたX-Pro2とX70をチェックしてきました。
X-E2Sも発表されたようですが、たいした変更があるわけでもなくあまり興味がなかったので存在すら確認しませんでした・・・。
発表会レポートへのリンクはこちら。
富士フイルム新製品発表イベントレポート - デジカメ Watch
X70はGRに勝てるか
さて、まずは本命の前にX70を軽くチェックです。
(ごめんなさい、写真撮りませんでした・・・。)
APS-Cで28mm(35mm版換算)レンズ搭載ということで、リコーのGRに正面からぶつかるスペックです。Nikonも同様のカメラ(CoolPix A)を出しましたが、あまりヒットしなかった雰囲気です・・・。現時点ではすでに旧製品扱いで、後継機種の発表もありません。
フィルムカメラ時代から人気のGRもすでにGR2に進化。スナップカメラとして、GR2と戦えるか?ここがポイントです。
個人的にはGR2はAFが遅く感じるのがいまいちです。GR2の公式HPでは0.2秒だそうで(フィルムのGR1vより十分早いですが・・・)。
特長2 / GR II / デジタルカメラ / 製品 | RICOH IMAGING
特長2 / GR II / デジタルカメラ / 製品 | RICOH IMAGING
マイクロフォーサーズの現行機種や像面位相差AF搭載のカメラに慣れてしまうと、GR2はちょっと遅く感じてしまいます。それ以外はスナップシューターとして十分だと思います。
で、期待のX70ですが、実際にAFをテストした感じでは十分。これなら、ストレスを感じないレベルです。HP上では0.1秒を謳っています。たった0.1秒の違いでも体感的には相当違うようです。
で、X70はパーフェクトかというと、やはり若干残念なところが・・・。富士フイルム伝統(?)のシャッターダイヤルの操作性が悪い・・・。あのシャッターダイヤル、クラシックカメラを真似た以外に機能性のメリットとかないと思うんですが・・・。1/3単位のシャッタースピードを変えようとすると、背面のレバーでちょいちょいと操作しなくては行けません。コマンドダイヤルのように見えて、コマンドダイヤル出はないんですね。レバーなんです。
なんと使いにくいことか!
ただ、レンズ側にコントロールリングがあるので、ここにシャッタースピードを割り当てできればましになるかもしれません。そこまではチェックしてきませんでした。この時点でこのカメラはオートモードで使うべきカメラなのだと理解しました。(ま、ほとんど皆さんAとかSとか使いますよね・・・。私は基本マニュアル派なので・・・)
Nikonの失敗もあるので、ここは富士フイルムは「Classe」の名前を使ったほうが良かったんじゃないでしょうか。28mm単焦点ASP-Cって、多分そういうストリートスナップへのオマージュがない限り、難しい立ち位置ではないかと思うんです。
本気の大進化X-Pro2
X-Pro2のアップデート内容については、以前の記事(富士フイルム X-Pro2 発表)にも書きました。
ざっとおさらいしておくと、2400万画素、新画像処理エンジン、新フィルムシミュレーション「Acros」、像面位相差ポイントの増加、エレクトロニックレンジファインダーの搭載、防塵防滴耐低温などです。
じゃ、実際触ってどうなの?ということで、結構いじり倒してきました。六本木の富士フイルムスクエアにはなんとX-Pro2が3台ほど展示。
同時に複数の人が来ても対応できるようにということでしょうか。フラッグシップの後継機種なので富士フイルムとしても気合が入っているのでしょう。
持った感じの重量はちょうどいい感じ。大きさに対してスカスカ感はありません。X-Pro1よりも多少重量が増えているせいでしょうか。
そして、期待のファインダー(X100Tにはすでに同機能が搭載済みですが)。エレクトロニックレンジファインダー、とってもいい!OVFでフレーミングしつつ、右下の小さな窓でピントの確認、ホワイトバランスの確認が同時にできるという素晴らしさ。OVFなので像の遅延もありませんし、クリアに被写体を見ることができます。イラッとしたら、EVFに切り替えてもよし。ただ、この機種はこの機能を活用するのでなければあまり買うメリットはない気がします。(この機構のためにコストかかっているでしょうから。)
OVFの欠点は、すべてのレンズの画角に対応できるわけではないこと(一眼レフなら問題ないっすけどね)。そこをエレクトロニックビューファインダーで補うしかなく。広角側はフレームの外、ファインダーの端で16mm(35mm版換算24mm)がギリギリくらいだそう。あと、アイポイントが16mmとそれほど長くはないので、私はメガネ使用なので一部の情報表示がケラレ気味でした。まぁ、それでも特に不便がない程度でしょう。
その他実際操作して良さを実感した点は・・・。
- AFスピード。X-T1やX-T10と同レベル
X-Pro1とはさすが隔世の感。 - フォーカスレバー
AFポイントの移動がすばやくできるので便利。 十字キーでポチポチやるより素早い。(タッチパネル搭載すれば、これいらない気がしますが・・・防塵防滴だと無理なんでしょうか)
そして、大々的にリリースされていない点ですが、省電力モードに「エコノミー」が追加されていました。相当いろいろな箇所のパフォーマンスを落として電気持ちをよくするそうです。スタンダードはハイパフォーマンスに対してEVF、LCDののフレームレートとAFの速度を落とす程度だそうですが、エコノミーはとにかく全般的に落とすそうです。じっくり風景撮影というのであれば、このモードで十分かも知れません。
あと、スピードダイヤルを「T」ポジションに設定したうえで、フロントダイヤルで全シャッタースピードに変更できる機能もしっかり搭載。正直この機能が搭載されていない限り、Xシリーズは使う気になリませんでしたね(X-T10から搭載、X-T1はVer4.00で対応。X-E2も2月4日リリースの新ファームウェアで対応予定)。
「Acros」モードと「グレインエフェクト」でRaw現像なんかもう要らない?
「Acros」のフィルムシミューレーション、いいです!
今までのモノクロは単純に彩度を落としただけの感じですが、Acrosモードは抜けがよくなり、シャドウの階調も潰さない。まさに、暗室でモノクロプリントを作るときに目指したいイメージ。
多分これでは伝わらないかと思いますが・・・。ぜひ富士フイルムスクエアで見比べてください。
そして、グレインエフェクトもまたよいです。デジタル画像を単にモノクロにすると、ヌメッとした写真になってしまうので、Lightroomなどで「粒子」を足すというのが基本でした。それを撮影時にかけてくれるので、撮影したらもう完成!(に近い)。
これで、JPEG画像でなくてTIFFで保存できればもう言うことないんですが・・・(流石に部分的にレタッチはしたいので、JPEGだど画質が・・・)。大きく伸ばさない、あるいはライティングに問題ない限りは、撮って出しでも十分いけると思います。
X-Pro2は買い?
OVFを使うメリットがあまりない方にはオススメしづらいですね。OVFは視野率も低いし、一眼レフのようにレンズの視野範囲が全部見えるわけでないですから。ライカ的スナップにはいいかもしれません。それにしても、この機構のためにコストが乗ってしまっているでしょうから・・・。
一方でXシリーズで2400万画素数、像面位相差AFのカバー範囲の広さ、Acrosモードやグレインエフェクトなど、最新のこの機種でしか利用できない各種機能をいち早く必要とされている方(魅力的だと感じる)は即効お買い上げが正解でしょう(3月末に価格が下がる可能性はあるので、ちょっとまっても良いかもしれませんが)。
というわけで、X-Pro2かなり魅力的な機種に仕上がってました。ぜひ、みなさんもご検討をー。
2016-02-04 12:37
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