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富士フイルム X-Pro2 発表 [カメラ]

少し前になりますが、1月15日に富士フイルムよりX-Pro2が発表されました。 
発売は2月18日。前機種のX-Pro1から4年開けての新機種(X-Pro1は2012年2月の発売)。

FUJIFILM X-Pro2 | 富士フイルム

 

富士フイルムのミラーレス一眼初号機のアップデート

X-Pro1は富士フイルムのミラーレス一眼の一番最初のカメラ。
富士フイルムはそれまでニコンのボディを利用して独自センサーを搭載、レンズはニッコールレンズという形でデジタル一眼レフ市場に参入していましたが、それを捨ててミラーレスでの再出発。
X-Pro1からXシリーズから、今のXシリーズラインナップに至るわけですね。

しかも、X-Pro1は「ハイブリッドビューファインダー」で話題になりました。
レバーによって、光学ファインダーと液晶ファインダーが切り替わるシステムは斬新でした。
当時僕も発売と同時に店頭にチェックに走りました。

しかし、実際触ってみるとがっかり・・・。
もたつくAF、ボディサイズの割に変な軽さ。レスポンスの悪いEVF。
2012年はちょうど、オリンパスからOM-D E-M5が発売された年でもあります。
マイクロフォーサーズ規格は発足してからすでに数年経過し、オリンパスにはライビュビューの処理やEVFのレスポンスなどの課題を解決する技術の蓄積が進んでいたのです。
当時のオリンパスやパナソニックのミラーレスの技術は確実に一歩先に行っており、富士フイルムはまだまだこれから、という状況だったわけですね。

また、富士フイルムの独自性が足を引っ張った部分もあります。
独自のカラーフィルター配列の「X-trans CMOS センサー」 は他社が採用するベイヤーセンサーよりも処理が複雑になります。
ミラーレスはライブビューによる撮影になるため、常にセンサーから情報を読みだして処理し続けなくてはなりません。当然レスポンスの低下、電池消耗など不利になるわけです。 

また、レンズを真面目に作ってしまったこともAF速度の低下を招きました。
現代のレンズの殆どが「インナーフォーカス」と呼ばれる方式を採用しているのに対し、富士フイルムの最初のレンズは「全群繰り出し」方式を採用。前者が一部のレンズだけを動かすのに対し、後者はすべてのレンズを動かすため、どうしてもAFが遅くなります。後者の方が画質面では有利ではありますが、一眼レフやオリンパス、パナソニックのミラーレスに比べると、「遅いなー」と感じてしまうわけです。

X-Pro2でのアップデートポイント

X-Pro1の発売後、多数の機種の発売とともに多くの機能が開発され搭載されてきました。X-Pro2ではそれらの改善がすべて盛り込まれたとも言えるものです。一部ですが、ざっと書くと大きなポイントは以下になります。

  • センサー画素数の向上
    X-trans CMOS Ⅲセンサーになり、1600万画素から2400万画素へ。引き続きローパスレス。
  • 位相差AF画素の搭載
    7x7の49点の像面位相差AFポイントを搭載。X-T1が9点、X-T10が15点と比べればかなりの飛躍です。
    また、AF測距点数も77点(最大273点)に増えています。ただ、「最大273点」とは何を意味するのでしょう?富士フイルムのHP等では詳細を確認できませんでした。実機で確認が必要ですね。
  • 画像処理エンジンのアップデート
    「X Processer Pro」の搭載により、2400万画素のセンサーを活かす画像処理と処理速度を実現。
    起動時間0.4秒、撮影間隔0.25秒、シャッタータイムラグ0.05 秒、最速0.06 秒 の高速AF。
    X-T1、T10は起動時間0.5秒、撮影間隔0.5秒、シャッタータイムラグ0.05 秒、最速0.06 秒。
    画素数が増えたにもかかわらず、速度を同程度に維持できているということは、プロセッサーの処理能力が相当アップしているということです。
  • エレクトロニックレンジファインダーの搭載
    OVFの中に小型EVFを表示し、ピントと露出を確認可能に(X100Tで搭載された機能と同機能)。
  • フィルムシミュレーション「ACROS」の追加
    今までは富士フイルムのリバーサルフィルムを再現するフィルムシミュレーションのみでしたが、モノクロフィルムまで登場です。通常のB&Wのフィルムシミュレーションとの違いはどういったところにあるのでしょう。気になるところです。
    (個人的には、Prestoを再現して欲しいですが・・・)
  • 防塵・防滴、耐低温度構造の採用
    X-Pro1では全くこの辺りはありませんでしたので、トップレンジのカメラとして他社と競える仕様になった感じですね。

 詳細な内容は富士フイルムのニュースリリースと製品ページでご確認を。

ちょっと気になるところは・・・


今ある技術をてんこ盛りにして出してきたX-Pro2ですが、気になるところもあります。

 

  • EVFが液晶パネル採用かつ0.48型で倍率が0.59倍です。
    X-T1では0.5型有機EL採用で0.77倍、X-T10では0.39型有機EL採用で0.62倍です。OVFとの両搭載ではX-T1と同等レベルにはできなかったのでしょうか。倍率でX-T10より劣るというのはちょっとなーと思います

    ただ、必ずしも有機ELが絶対に優れているわけではないですし、OVFの0.6倍と合わせるためにEVFも0.59倍に”あえて”合わせたのでしょう。
    パネル自体が0.48型の237万画素ということで、もしやオリンパスのE-M1やE-M5 mark Ⅱに採用されているエプソンのパネルと同じなのではないかと勘ぐってしまいます。
    OM-D E-M1にエプソンの高精細液晶パネル「アルティミクロン」が採用

    有機ELに比べると液晶パネルなのでやはり黒の締りが劣ります。ただ、実際に眼で見た印象と比べるとそれほど違和感はありません。有機ELだと保存される画像に近い印象になりますが、実際より黒が潰れて見えるということです。解像度と追従性(フレームレートとタイムラグ)さえ確保されていれば、慣れの問題かと思います。EVFのフレームレートは最大85fpsということで、X-T1で54fps程度のようなので追従性については向上しているといってよいでしょう。

  • EVF使用時の撮影可能枚数が250枚・・・
    X-T1では350枚です。一応X-Pro2もOVFでは350枚可能と謳っていますが・・・。
    しかも、これらはハイパフォーマンスモードの値ではないので、AFやEVFを高速にするともっとバッテリーは早く減ることに。予備バッテリーを結構持って行かないと辛いこともありそうです。

  •  テザー撮影に対応していないようだ・・・
    HP、ニュースリリースにも記載なし。カタログのSystemChartにもPC撮影専用ソフトウェアの記載なし。
    このカメラのデザインからしてスナップ向きだとは思いますが、「Pro」と謳うのであればテザー撮影を搭載しても良かったのではないかと・・・。

  • とにかくお高い!!
    フジフイルムモールで215,460円!Pro1の発売当初の価格が10万円台中盤だったように記憶しています。
    フラッグシップとはいえ、2400万画素のAPS-C機でこの価格はちょっと・・・。
    同時期に発表されているニコンのD500がニコンダイレクトで259,200円に比べれば安いのですが、なんとなーくもう少しがんばれなかったかなーと思ってしまいます。 


2400万画素のX-trans CMOSとX-Processer Proでどんな画像が出てくるか

いままで1600万画素でずーっと展開してきた富士フィルムが気合をいれて高画素化してきたわけですから、解像感そして色や階調に磨きがかかっていることを期待します。
ミラーレスとしては、オリンパス、パナソニック、ソニーより後発なのでまだまだ機能や操作性など課題はあるように思っていますが、それを超える画質であればXシリーズはシェアを伸ばしてくるかもしれません。

個人的にはオリンパス大好きですが、富士フイルムの独自路線で突き進んでもらえればそれも面白いかなと。
すでに六本木ではデモ機が用意されているようなので、時間を作り次第レポートしたいと思います。

 

 




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